小教研体育部会
Ⅰ.研究主題
運動の楽しさや喜びに触れる学びを通して、進んで運動に取り組み、体力の向上を図るたくましい子どもをはぐくむ体育指導の充実
Ⅱ.研究計画
(1) 県小教研の研究運営計画に基づき、研究を進める。
・ 県大会開催支部:北会津支部
・ 研究協議・教育講演会等
・ 代表支部実践研究発表(4支部)
(2) 県大会については、開催支部の計画により、下記の内容を実施する。
・ 代表支部の実践発表(各年4支部)
・ 研究協議(H28~30)
・ 全体協議及びグループ別協議
・ 教育講演会(H28・30)
・ 公開研究授業及び事後研究会(H29・30)
Ⅲ.研究内容・方法
<研究内容>
(1) 発達段階や実態及び運動の特性を踏まえた指導計画の充実
① 小・中・高の12年間を見据えながら、特に幼稚園・保育園(保育所)− 小学校、小−中学校の接続に配慮した指導計画の作成
② 学習の適時性に配慮するとともに、2学年のいずれかの学年で取り上げて指導できる内容に配慮した年間指導計画の作成
③ 単元のねらいを達成するために必要な時数を配当した指導計画の作成
④ 運動の質や量を高める単元指導計画の工夫
(2) 運動の楽しさや喜びに触れさせる指導の充実
① 学年の発達段階に応じた運動特性の把握と運動の取上げ方の工夫
② 個々の児童の運動経験や技能の程度に応じた指導の工夫
③ 学び合いながら運動課題の解決を図る学習活動の工夫
④ 運動身体づくりプログラムを活用した動きづくりの工夫
(3) 進んで運動に取り組ませる指導の充実
① 運動への興味・関心や意欲を高めるためのオリエンテーションの工夫
② 自己の能力に適した課題を持たせるめあて学習の工夫
③ 習熟の程度に応じたルールや用具、場の設定の工夫
④ ICT機器を有効に活用する工夫
⑤ 東京オリンピック・パラリンピックを契機として、運動やスポーツに対する関心・意欲の更なる高揚を図る実践
(4) 体力向上のための指導の充実
① 教科指導の充実
教材開発や個に応じた支援体制の充実に努めるとともに、運動の楽しさや喜びに触れさせる授業の工夫
② 教科外指導の充実
・ 外遊びの奨励
・ “5つの間”の設定 “仲間、時間、空間、手間、茶の間”
・ 家庭や地域と連携した、遊びや運動の習慣化と日常化
・ 食習慣の改善と肥満解消
(5) 言語活動を生かし、学び合いを深める指導の充実
① 話し合う活動や学習カードの活用
② 共に運動する楽しさを味わい、互いに教え・励まし合い、学び合う活動の工夫
(6) 実践的な理解を深める保健学習の充実
① 自分手帳の有効活用と自己理解
② 身近な生活の中から健康・安全に関する課題に気付かせる指導の工夫
③ 養護教諭や栄養教諭及び地域人材の専門性を生かした指導体制の工夫
④ 発達段階を踏まえた食育・性に関する指導の工夫
⑤ 県や地域の実情を踏まえた放射線教育の充実と指導の工夫
⑥ 一人一人の学習意欲を高め、課題解決を図る学習活動の工夫
(7) 学習意欲を高める評価の充実
① 指導と評価の一体化
・ 指導したことを評価し、授業者の学習の進め方の改善に生かす
② 学習内容の定着度の把握と指導改善
<研究方法>
(1) 地区ごとに研究推進計画を作成し、研究の視点及び研究内容の焦点化を図った研究を進める。なお、避難地区においては、状況を十分に考慮する。
(2) 学習指導要領の趣旨を踏まえ、県研究主題との関連を考慮し、副主題(地区研究主題)を設けるなど、地区や自校の課題を明確にして研究を推進する。
(3) 会員一人一人の授業実践を基に、具体的なデータを累積し、仮説検証のための手立ての効果や子どもの変容をとらえた研究を進めるとともに、成果や課題の共有化を図り、地区の研究成果と課題を明らかにする。
(4) 指導や場の設定の工夫を図りながら実践研究を進める。
Ⅳ.研究の実践
【平成28年度】
<研究協議会>
○ 指導助言 山本秀和 福島県教育庁健康教育課指導主事
○ 発表支部 郡山、西白河、両沼、いわき
① 学び合いながら運動課題に取り組む授業(学習カード、掲示物、PC・タブレット等の活用など)
② 運動身体づくりプログラムの活用
③ 運動の組合せ、場の工夫による楽しい授業
④ コオーディネーション・トレーニングの実技研修(運動によって脳を活性化させるトレーニング法)
<教育講演会>
「楽しく力をつける体育授業」 筑波大学附属小学校 平川 譲 先生
【平成29年度】
<研究協議会>
○ 指導助言 塩田俊郎 福島県教育庁健康教育課指導主事
○ 発表支部 福島、岩瀬、東白川、南会津
・ 全体会において、上記4地区の代表者から、地区の取組み状況について、学び合いを通した「ICTの有効活用と留意点」や 「指導計画の充実」、「言語活動を生かした 授業実践」等の取組みについて発表された。
<公開授業研究>
○ 授業者 長峰健 会津若松市立一箕小学校教
○ 指導助言者 筑波大学附属小学校教諭 平川譲 先生
体つくり運動(ダブルダッチ)と器械運動(マット運動)を一単位時間で行う「組み合わせ単元」の授業が提供された。短い時間で数多く、長い期間運動することで、子どもの集中力や興味・関心を維持しながら、学び合いを通して技能の習得を図ったり、体力の向上を目指したりすることができるメリットがあることが紹介された。
【平成30年度】
<研究協議会>
○ 指導助言 古川雅秀 福島県教育庁会津教育事務所指導主事
○ 発表支部 伊達、石川、耶麻、相馬
・ 全体会において、上記4地区の代表者から、「ICT機器の活用」や「レーダーチャートを用いた学習カード」、「ドリルゲームやタスクゲーム」を通した実践、「自分手帳の活用や自校化」等の実践例などの取組みについて発表された。
<公開授業研究及び教育講演会>
講師:筑波大学附属小学校教諭 平川譲 先生
一単位時間で行う「組み合わせ単元」の授業として基礎感覚を養う教材である「おりかえしの運動」と「バレーボールテニス・つづけるくん」の授業が紹介された。
授業終了後、事後研究協議を含め、「組み合わせ単元」や「おりかえしの運動」の有効性に関する教育講演会を実施した。
Ⅴ.成果と課題
(1) 県の研究主題を受けて、地区ごとに授業研究や実技研修会等、年間計画に従って特色ある研究を進め、3年間の研究の成果が現れた。
(2) 北会津支部で取り組んだ「組み合わせ単元」の授業の有効性が紹介され、今後の授業構想に参考となる実践研究であった。
(3) 運動に関する興味・関心の二極化という課題について、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを絶好の機会として、「する運動」に加え、「見る運動」の視点を積極的に取り入れ、運動が好きという児童を育てていくことも必要である。
(4) この3年間で集積した具体的で効果的な実践の成果が県内に普及し、本研究部の取組みが本県の課題解決の一助となることを願う。
Ⅵ.2019年度活動計画
(1) 研究主題
体育や保健の見方・考え方を働かせる学びを通して、心と体の高まりを実感できる子どもの育成
(2) 基本方針
① 国や県の教育重点施策、第Ⅵ期の成果や課題を踏まえた研究を推進する。
② 各地区での方向性を明確にし、共通理解に立った実践研究を進める。
③ 2019年度「研究の手引き」の活用し、年次的な焦点化及び重点化を図った計画的な実践研究を行う。
④ 自ら健康・体力づくりに取り組む指導方法を工夫・改善し、児童の健やかな体をはぐくむ。
⑤ 家庭や地域社会と連携し、心と体の健康を図る。
(3) 活動計画
○ 研究主題研修会 4月17日(水) 地区体育科研究部代表者会
○ 研究主題研修会 5月16日(木) 地区体育科研究部長会
○ 県研究協議会 10月16日(水) 開催地区:県南(東白) 会場:棚倉文化センター
○ 「研究の手引き」原稿作成 1月