第61回全国学校体育研究大会 学校体育優良校
矢祭町立矢祭小学校
校長 伊藤 弘行
〒963-5118
福島県東白川郡矢祭町大字東館字下上野内10
TEL:0247-46-2039
FAX:0247-46-2044
E-mail:yamatsuri-e@fcs.ed.jp
1 研究主題
「体育や保健の見方・考え方を働かせる学びを通して、心と体の高まりを実感できる子どもの育成」
─ 多様なかかわりを通して ─
2 研究の期間
令和元年度~令和3年度 3年間
3 研究の目的
(1)各種の運動の行い方及び身近な生活における健康・安全についての理解、基本的な動きや技能を身に付けさせる。
(2)自己の課題を見付け、その解決に向けて思考し判断するとともに、他者に伝える力を養う。
(3)運動に親しむとともに認め合い高め合う集団づくりを通して、楽しく明るい生活を営むための態度を養う。
4 研究の実践内容
~ ボール運動「ゴール型」(セストボール)~
(1)単元構成の工夫及びルールの工夫
・「オリエンテーション」→「基本の動き」→「作戦を立ててゲーム」という流れにし、基本の動きを生かしてゲームができるようにする。(ボールを持たない児童の動きを工夫してゲームを行わせる)
・主運動につながる運動身体プログラムの工夫をする。
・全員が活躍できるように、攻撃専門の人を設定し、アウトナンバーの状況を作る。
・360度どこからでもシュートを打つことができる。
(2)話し合い活動の充実
・作戦ボードを活用して、自分の考えや友達の考えを説明させる。動き方(作戦)に名前を付けてチーム内で共有させる。
(3)学級づくり
・互いのよさを認め合う場を設定し、体育の授業を通した学級づくりを行う。
(4)ICTの活用
・ICTを活用して前時までの記録を蓄積し、本時の動きを理解させたり、振り返りに生かしたりできるようにする。
5 研究の成果
(1)児童が主体的に作戦を考え、基本の動きがゲームの随所で見られた。また、本時の導入時に主運動につながる運動プログラムを行ったので、授業の流れがスムーズであった。
(2)技能は普通だが、話し合いの時に文章で具体的にアイデアを出している児童がいた。運動が得意ではない児童が、チームのためにできることを一生懸命やろうとしていた。
(3)授業者の細やかな声かけや称賛が効果的で、児童同士でも「おしい!」「ナイス!」「いいね!」など、温かく前向きな声かけが聞かれた。失敗を恐れずチャレンジする風土があり、積極性も感じられた。体育と学級づくりの関係の深さを改めて実感した。
(4)前回までの学びを振り返ることができた。先生方を児童役にしたオリジナル動画の視聴も効果的だった。
6 今後の課題
・子どもの思考を促すことと、運動量を確保することを両立させる難しさがある。
・話し合いに時間がかかってしまった。ICTを使用したが時間がかかってしまった。焦点化をして示したり、振り返りで取り上げたりするなど、何をどの場面で活用するのが効果的なのかについても研究していきたい。
・運動は「する」こと以外にも「見る」ことや「支える」ことにも楽しみ方があることを実感できるような指導を心がけていく。