第61回全国学校体育研究大会 学校体育研究功労者


鈴木 義祐

福島県立会津高等学校長

 

 

全国学校体育研究功労者表彰を受賞して

 

 このたびは、公益財団法人日本学校体育研究連合会全国学校体育研究功労者表彰を賜り、身に余る光栄と恐縮しております。受賞はひとえに、推薦いただきました福島県学校体育研究連合会会長小川 宏先生、前会長の森 知高先生をはじめ、関係の皆様、そして、これまで私を支えていただきました職場の先輩、同僚、後輩等の皆様のおかげと、深く感謝申し上げます。

 思い起こせば、これまで、福島県の高校教員として、学校現場に22年間、学校保健体育・スポーツ行政に14年間、計36年間携わってきました。

 教諭としては、定時制高校に4年間、全日制普通科高校11年間、計15年間、保健体育科教諭として勤務しました。保健の授業では、心肺蘇生法の実習やブレインストーミングによるグループ学習等を全クラスで取り入れ、生涯を通じて健康で安全な生活を送るための知識や実践力の定着に努めました。体育の授業では、福島県の児童生徒の体力・運動能力が全国同様昭和61年頃をピークにその後低下を続けていること、また、福島県の特徴として、筋力・瞬発力に優れ、持久力に劣る様相を呈していることを踏まえ、毎回の準備運動にこれらの課題への対策を加え、個人の目標値を設定してその到達を促すなどの試みの結果、生徒の大きな伸びを実感することができました。この間、陸上競技部での部活動指導において東北大会優勝や全国大会出場の機会を生徒に与えてもらったことも、大きな喜びです。

 また、学校の管理職としては、これまで、教頭として2年間、校長として5年間勤務していますが、現在の高校生が東日本大震災やコロナ禍で運動経験が不足している世代であることから、授業や集会等で健康と体力の大切さ、運動の習慣化を呼びかけてきました。

 一方、学校保健体育・スポーツ行政では、まず、(財)福島県体育協会に6年間勤務し、福島県の競技力向上や生涯スポーツの振興に携わる機会を与えていただきました。また、福島県教育庁学校生活健康課の指導主事として3年間、学校体育、健康教育、学校安全教育の充実に取り組む機会に恵まれました。特に、水泳の授業に関し、安全なスタート指導のため、県内各校のスタート台の交換を行うとともに、保健体育科教員と水泳部顧問全員を対象とする研修会の開催を行ったことと、低下傾向にあった福島県の児童生徒の体力、運動能力を向上させるため、動物の動き等を取り入れ、楽しみながら運動に親しむ習慣づくりを行う「身体運動づくりプログラム」の普及に携わったことなどが思い出に残っています。さらに、福島県教育庁健康教育課主任指導主事として、平成26年2月に福島県猪苗代町で開催された全国高等学校総合体育大会スキー競技の実行委員会事務局長を務める機会をいただいたこと、また、福島県教育庁健康教育課副課長兼主任主査、同主幹、同室長の4年間で、平成29年度に山形・宮城・福島の3県で開催された南東北インターハイの福島県実行委員会事務局長を仰せつかり、大会の準備・運営に取り組む機会をいただいたことは、得がたい経験となりました。さらに、インターハイの準備と並行して、僅かながら、食育にも携わり、福島県の食育のキーワードである「食べる力」、「感謝の心」、「郷土愛」の概念を研修会で定着を図るとともに、文部科学省の指定を受けた自治体と連携を図りながら食育の事業実施の調整に関与したことも懐かしい思い出です。さらには、平成28年度から学校の健康診断に運動器の検診が導入されることに備え、福島県で開催された東北学校保健研究大会の講演会にあたり、運動器検診の導入を推進してきた講師の招聘を自ら行う機会にも恵まれ、貴重な経験となりました。

 その後、校長として学校現場に戻り、平成30年度から3年間、福島県高等学校教育研究会保健体育部会会長の役目をいただき、県内各学校の先生方の一生懸命な取組に触れる機会をいただくとともに、県研究会の開催、特に全国的に活躍される著名な講師の招聘に関わることができたことは、これまでの教員生活の大きな締めくくりとなりました。

 今日まで、学校体育との関わりを大切にしながら教員生活を続けることができたこと、そして今回栄えある受賞の機会までいただいたことは、ひとえに関係の皆様のおかげと、改めて心から御礼申し上げます。今後とも微力ながら、本県学校体育の充実に関われるよう精進してまいる所存です。

 

 結びに、福島県学校体育研究連合会のますますの御発展と、会員の皆様の御健勝と御活躍をお祈り申し上げ、御礼の挨拶とさせていただきます。