小教研体育部会
Ⅰ.研究主題
体育や保健の見方・考え方を働かせる学びを通して、心と体の高まりを実感できる子どもの育成
Ⅱ.主題設定の理由
令和元年度より第Ⅶ期として3年計画で新たな主題のもと研究が始まりました。
(1) 基本主題とのかかわりから
体育や保健の見方・考え方を働かせる学びの観点から、その特性に応じた各種の運動の行い方及び身近な生活における健康・安全についての理解、基本的な動きや技能を身に付けるようにすること。
また、運動や健康についての自己の課題を見付け、その解決に向けて思考し判断するとともに、他者に伝える力を養うこと。さらには、それらの学習活動を通して運動に親しみ、健康の保持増進と体力の向上を目指し、楽しく明るい生活を営むための態度を養うことができる体育指導の在り方を研究するものである。
(2) 第Ⅵ期の研究の成果と課題から
<成果>
○ ICT機器の活用は、主体的で協同的な学習活動ができるツールであること、さらには自己の技能の習得状況を客観的に把握することができるツールでもあり、有効な学習方法である。
○ 運動身体づくりプログラムは、体力の向上を目的とするばかりではなく、運動する前に心と体の準備を整えるための視点としても有効である。
○ 1単位時間に2単元を取り入れた授業では、単元や運動種目の選択、運動の場の設定を工夫し、一つの運動に時間をかけて取り組みながら、技能の向上等を含めた深い学びにつながるよう授業を構築することが大切である。
<課題>
○ ICT機器の活用では、技能のポイントやアドバイスの視点を明確にすることと活用する場や時間の精査が必要である。
○ 2学年にわたる時数配当に該当する単元の見通しや幼稚園からの接続を考慮した単元づくりの工夫が必要である。
(3) 体育科の目標から
新学習指導要領の小学校体育科の目標では、「体育や保健の見方・考え方を働かせ、課題を見付け、その解決に向けた学習過程を通して、心と体を一体として捉え、生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成する」としている。
以上のような点を踏まえ、本研究主題を設定した。
<体育や保健の見方・考え方を働かせる学びとは>
・ 体育の見方・考え方とは、「する・みる・支える・知る」の視点で、自己の適性等に応じて、運動やスポーツとの多様な関わり方について考えること
・ 保健の見方・考え方とは、身近な生活における課題や情報から、病気にかかったり、ケガをしたりするリスクの軽減や心身の健康の保持増進と関連付けること
・ 働かせる学びとは、自分や仲間が直面する課題について、仲間と共に思考を深め、よりよい解決策を見いだしていく主体的・対話的で深い学びのこと
<心と体の高まりを実感するとは>
・ 仲間と関わりながら運動する中での達成感や成就感などの楽しさや喜びを味わうこと
・ 自分や仲間の学習活動を振り返りつつ、課題を修正したり、新たに設定したりして、仲間と共に思考を深め、よりよく課題を解決し、次の学びにつなげること
・ 進んで運動に取り組み、運動の特性に応じた動きの高まりや体力向上の具合を自ら客観的に捉えること
・ 自ら学びを振り返り、動きの高まりが自分の学びや仲間との学びのよさから生み出されていることを自覚すること
・ 自分の心と体の状態に関心をもち、学んだことを日常生活に生かそうとすること
Ⅲ.研究計画
(1) 県小教研の研究運営計画に基づき、研究を進める。
○ 県大会開催支部:東白川支部
○ 研究協議
・ 講演・模範授業・授業研究
・ 代表支部実践研究発表(各年4支部)
(2) 令和元年度の県大会については、開催支部の計画により、下記の内容を実施する。
○ 代表支部の実践発表(4支部)
○ 研究協議
・ 全体協議及びグループ別協議
○ 講演
Ⅳ.研究内容・方法
<研究内容>
(1) 発達段階や実態及び運動の特性を踏まえた指導計画の充実
① 小・中・高12年間のカリキュラムマネジメントの視点を踏まえた指導計画の作成
② 学習の適時性に配慮するとともに、2学年のいずれかの学年で取り上げて指導できる内容に配慮した年間指導計画の作成
③ 単元のまとまりの中で体育や保健の見方・考え方を働かせる学びにつながる指導計画の作成
④ 運動の質や量を高める単元指導計画の工夫
(2) 運動の楽しさや喜びを味わわせる指導の充実
① 学年の発達段階に応じた運動特性の把握と運動の取上げ方の工夫
② 個々の児童の運動経験や技能の程度に応じた指導の工夫
③ 課題解決に対する思考を深め、よりよく解決するための学習活動の工夫
④ 基礎・基本の動きづくりにつながる運動身体づくりプログラムの活用
(3) 進んで運動に取り組ませる指導の充実
① 運動への興味・関心や意欲を高めるためのオリエンテーションの工夫
② 新たな課題を設定したり、課題を修正したりする主体的な学習の工夫
③ 児童の実態や習熟の程度に応じたルールや用具、場の設定の工夫
④ ICT機器を有効に活用する工夫
⑤ 東京オリンピック・パラリンピックを契機として、運動やスポーツに対する関心・意欲の更なる高揚を図る実践
(4) 体力向上のための指導の充実
① 教科指導の充実
・ 発達段階に応じて高めるべき体力を重点化し、その方法を理解させるとともに、日常生活における主体的な実践力を身に付けさせること
② 教科外指導の充実
・ 外遊びを奨励するなど楽しみながら一日の運動量を増やすことを通した運動の習慣化と日常化の実践
・ 生涯スポーツにつながる幅広い経験
・ 食習慣の改善と肥満解消
(5) 言語活動を生かし、学び合いを深める指導の充実
① 話し合う活動や学習カードの活用
② 共に運動する楽しさを味わい、他者との伝え合い、学び合う活動の工夫
(6) 実践的な理解を深める保健学習の充実
① 実感を伴う体験活動の重視
② 自分手帳の有効活用による自己理解
③ 身近な生活の中から健康・安全に関する課題に気付かせる指導の工夫
④ 養護教諭や栄養教諭及び地域人材の専門性を生かした指導体制の工夫
⑤ 発達段階を踏まえた食育・性に関する指導の工夫
⑥ 県や地域の実情を踏まえた放射線教育の充実と指導の工夫
(7) 学習意欲を高める評価の充実
① 単元全体を見通し、主体的な学びを育てる評価規準の作成
② 3つの評価観点に基づいた指導と評価の一体化
③ 学習内容の定着度の把握と指導改善
<研究方法>
(1) 地区ごとに研究推進計画を作成し、研究の視点及び研究内容の焦点化を図った研究を進める。なお、避難地区においては、状況を十分に考慮する。
(2) 学習指導要領の趣旨を踏まえ、県研究主題との関連を考慮し、副主題(地区研究主題)を設けるなど、地区や自校の課題を明確にして研究を推進する。
(3) 会員一人一人の授業実践を基に、具体的なデータを累積し、仮説検証のための手立ての効果や子どもの変容をとらえた研究を進めるとともに、成果や課題の共有化を図り、地区の研究成果と課題を明らかにする。
(4) 指導や場の設定の工夫を図りながら実践研究を進める。
Ⅴ.研究の実践
(1) 研究協議1 地区代表者による発表
<安達地区> 欠席(台風19号の影響)
<田村地区> 大森雄斗 三春町立三春小学校教諭
・ 研究領域:運動の楽しさや喜びを味わわせる充実、進んで運動に取り組ませる指導の充実の、2つの領域に絞る
・ 夏の小教研
午前:授業実践(紹介:ティーボール、見方・考え方の確認:マット運動)
午後:実技研究会 タグラグビー
・ 体力向上の取り組み
マラソンタイム、なわとびタイム、朝活(サーキットトレーニング)、ミニ業間体育 投力アップ(タオル投げ、フォームロケット)、運動身体作りプログラム
・ 学習指導法研究会 タグラグビー
<北会津地区> 大須賀言彦 会津若松市立大戸小学校教諭
・ 研究内容 「わかる・できる・つかう」運動の特性を踏まえて
・ 実践発表 走り幅跳び
単元前の試しの走りと比べ、11名中9名が目標記録を達成した。8時になったら全校一斉に外に出て10分集中して運動する。
・ 実践発表 ソフトボレーボールゲーム
基本的な技能の習得とルールの理解に重点を置く。スキルアップのドリル練習の取入れ、児童からの要望でルールを変更、作戦ボードを使った話し合いの充実、ボールなどの用具の工夫試合と試合の間に作戦タイムが必要。
・ 実技研修 運動身体作りプログラム
動きのレパートリーや体感を鍛える運動、本県の課題解決に有効な運動
・ 第二次研究協議会 10月24日 ボール型ゲーム
(2) 研究協議2 情報交換(13名の地区代表者による情報交換)
<福島地区>
・ 6領域グループ別に分かれて研究
・ 5領域において代表者が研究授業
・ 年3回の研究協議会で各自実践の情報交換や実技研修会
<伊達地区>
・ 夏の研究協議会
・ 秋の研究業議会・・・表現運動
<郡山地区>
・ 1学期の研究授業ならびに研究集録を別な形に変えた。
・ 夏の研究協議会
<岩瀬地区>
・ 第1年次 わくわくする体育の授業~「する・みる」の視点を意識して
・ 夏の実技研修会
・ 実践発表・情報交換・実技研究
<石川地区>
・ 夏の研究協議会
・ グループ協議、実践発表、資料研修、秋の授業研究に向けた事前協議
<西白河地区>
・ 夏の研究協議会
・ 実践発表―体つくり運動、器械運動、陸上運動、ボール運動、各校の体力向上策
<東白川地区>
・ 夏の研究協議会
・ 実践発表―ボール運動
・ オリエンテーション、話し合いの場の設定、資料の提示、学習カード
<耶麻地区>
・ 夏の研究協議会
・ 授業実践発表―ソフトバレーボール
・ 実技研修―ボッチャ、シッティングバレーボール
<両沼地区>
・ 夏の研究協議会
・ 研究協議会―苦手な児童の支援の仕方
・ 実技研修―キンボール、ボッチャ
<南会津地区>
・ 夏の研究協議会
・ 研究協議会―二次研究会の授業構想について話し合い
・ スキルアップ、場の設定、話し合いのさせ方、作戦、学習カード など
<相馬地区>
欠席
<双葉地区>
(各教科部会を開くことができない状態。)
<いわき地区>
・ 今年度より午前中のみ。レポート発表+実技研修
・ 7つのテーマから個人でテーマを選ぶ。
(3) 研究協議3 体育の見方・考え方についての協議
4つのグループで「する」「見る」「知る」「支える」に分けた協議
<Aグループ>
ボール:高学年ネット型ソフトバレーボール
キーワード:復習の動き、チームでの支え合い、他のチームから学ぶ
<Bグループ>
水泳:3年生クロール
キーワード:他者との関わり合い、他者と自分の動きを見る、ICTの活用(見るポイント)、応援の大切さ 学びに向かう力が大切
<Cグループ>
陸上
キーワード:マラソンタイム1曲をかける、投げる運動はどの学年も苦手、姿を見て知る、承認・賞賛で意欲を高める
<Dグループ>
跳び箱:高学年跳び箱
キーワード:ICT・アドバイザー活用、課題を捉え発表の場を作る、よくなったところを賞賛、4つの視点が絡み合っている
(4) 指導助言
講師 福島県教育庁健康教育課指導主事 武井慎 様
○ 研究協議1・2について
・ 単元の特性をとらえることが重要。児童の実態や願いも踏まえて、単元構成を考え、授業を展開していく。
・ パラリンピックの種目を取り入れた実践が多かった。有効な種目ではあるが、目的や意義もとらえてほしい。
○ 研究協議3について
・ 児童の目線や教師の目線での「する」「見る」「支える」「知る」について深く踏み込んだ話し合いになっていた。
○ 体育や保健の見方
・ 資料を参考に、授業計画を立て、実践してほしい。
○ 県の施策について
・ 新学習指導要領を踏まえた、学習計画を立て、実践していってほしい。
・ 指導と評価の一体化を実践してほしい。
・ オリンピック、パラリンピック、ラグビーなどの種目を取り入れて、国際理解を深める機会にも生かしてほしい。
・ 怪我・事故の防止に努めてほしい。
・ ふくしまっ子児童期運動指針をぜひ活用してほしい。
・ 体力向上を目指して、体育担当の先生方の力を貸してほしい。
(5) 講演
演題「体育の見方・考え方を働かせる学びの在り方」
講師 東京大学総合文化研究科広域科学 専攻教授 深代千之 様
ラグビー・体操・陸上・バレーで日本選手の活躍が見られる。また、リオオリンピックでも史上最多のメダルを獲得した。日本選手の活躍は、科学的な解析の結果である。子どもの頃からの運脳神経の育成が重要である。欧米では、理科の中で自分の体を科学するということを学んでいるが、日本では、保健の中でしか扱ってこない。
今日のテーマに沿って、運動と勉強は別ではないということを話していきたい。今後は体のことを考えていかないと、動物的な特徴がなくなっていく。小学校入学前の幼児でも運動の二極化が見られ、身体能力が発達しない。東大生の身体能力について、体は大きくなっているが、身体能力は低くなっている。これは、全国的な傾向である。「力強さ」「粘り強さ」「巧みさ」の三つの要素を育てて行かなければならない。その働きかけは、「力強さ」「粘り強さ」トレーニング「巧みさ」練習。小学校の時に「巧みさ」を育ててほしい。上手にできるようになると、続けるようになる。「巧みさ」は一回できるようになるまで、やらなければならない。一生損失しない。何回というのは、トレーニングの考え方。脳で覚えているから、時間が経ってもできる。「巧みさ」は、日本人の特性でもある。箸・・・日本人の文化利き手は、練習してきたから利き手であり、なんでもすぐにできるということではなく、似たような運動経験があるため、すぐにできるようになるのである。神経系が発達する時(小学生)に練習することで、発達する。何もしなければ発達は望めない。習得した動作は劣化しない。メインプログラムとサブプログラムがある。サブプログラムは考えなくてもできるもの。サブプログラムを多くするということが「巧みさ」を多くするということ。動作の自動化。できてしまえば、小脳に格納される。レミニッセンス。できなかったものを2・3ヶ月休んでみると、再開したときに劇的に上達することがある。ある程度できたことで、脳神経系が発達したことで、この現象が起こる。上手な人のことをまねするということも有効である。
いろいろな運動を経験した後に、その人の特徴に合わせたスポーツを選択する。まっしぐらにやるというのが日本の文化だが、アメリカでは、複数のスポーツを経験しているのが普通。小学生段階には、さまざまなスポーツを経験してほしい。スポーツでは、答えを見つけるということが重要。速く走るということでは、股関節のスイング動作であるということがスポーツ科学で明らかになった。手足、全体の筋肉を動かすのが体幹だということが明らかになった。科学者は、コーチとコミュニケーションをとり、直接選手に指導しないことで選手・コーチ・科学者のトライアングルがうまくいく。陸上の選手層が厚くなったことで、リレーで勝負できるようになった。バトンの渡し方が上か下かということではなく、タイミングが重要であり、スピード曲線のへこみがなくなるようにすることが重要。50m走でバトンパスしながらタイムを計る。2人でタイムが縮むように練習するということをやってみるとよい。ドリル練習をしっかりやることで、足が速くなる。投げることは「うまい」「へた」が関係する。投げる動物はいない。上手投げができるのは人間だけ。二足歩行ということで、腕の動きの自由度が高くなった。投げるということをしていなければ、投げる動作ができなくなってしまう。小さい頃にドリルをして練習することで投げることができるようになる。効果的なドリルは、下投げ(めんこ)の動作である。トレーニングで鍛えられるのは速筋であり、長く走ることでは、速筋が縮むことから、瞬発的な筋力を高めるには、長く走ることは効果的でない。アメリカの研究では、運動と勉強の関係は相関関係がある。やるかやらないかの問題。日本では、受験が社会に大きな影響を及ぼす。受験がかわらなければかわらない。運動をしていた方が、高校入学時の偏差値が高い。記憶力が高いことが文科省の調査でも分かっている。「忍者ナイン」日常動作を基にして「走る」「投げる」「跳ぶ」の動作についてドリルを作った。ドリルでそれぞれの能力を高めて、自分にあったスポーツを選択させる。先生方には、子ども達とドリルで競ってほしい。「どうしたらできるのか」チーム思考も重要。
(回転の軸と速さのビデオの上映)
Ⅵ.成果と課題
<研究協議の成果>
○ 各地区の研究の進め方の実際が分かり、有意義なものだった。
○ 小グループの協議を「見方・考え方」についての意見交換により考えが深まるよい機会だった。
○ グループ協議において、領域ごとにそれぞれの特性に応じた取り組みを洗い出すことができた。
○ 「する・見る・知る・支える」は独立するものでなく、それぞれに関連づけて考えることが大切だと感じた。
○ 単なる発表だけでなくお互い意見を交わし、協議ができたことはよかった。
○ 体育の見方・考え方について、具体的な授業場面を想定してグループ協議ができて、とても有意義なものだった。
○ 運動の特性を正しく捉え、身につけたい資質・能力を明らかにする教材研究の大切さをあらためて感じた。
○ ICTを活用した実践や子どもの考えを取り入れた授業実践について学ぶことができた。
○ グループ協議3では、4つの視点から授業を考えるきっかけ、新学習指導要領を考えるきっかけとなり、体育指導の仕方について今後実践していきたい考え方であった。
<課題>
○ 各地区の代表者のみの協議だったが、代表者以外の方も話し合いに参加できればより勉強になるのではと感じた。
<講演について>
○ 効果的に練習させる工夫などがよく分かった。ただやらせるだけでなく、意味のある動作を考えながら今後指導していきたいと思う。
○ 運動が脳の働きととても関わりがあることが分かった。オリンピック選手のトレーニングについても話を聞くことができてよかった。
○ 多様な運動経験を小さい頃から積み上げ、頭でする頭を鍛える運動をすることだということを学んだ。
<次年度の内容について>
○ 実際の授業を見ることでの取り組みもあってもよい。
○ 可能であれば、深代先生の講演をまた聞きたいと思った。
○ アスリート本人からの話などを聞けたらよいと思う。
Ⅶ.令和2年度活動計画
(1)研究主題
体育や保健の見方・考え方を働かせる学びを通して、心と体の高まりを実感できる子どもの育成
(2)基本方針
① 国や県の教育重点施策、第Ⅵ期の成果や第Ⅶ期1年次の成果と課題を踏まえた研究を推進する。
② 各地区での方向性を明確にし、共通理解に立った実践研究を進める。
③ 令和2年度「研究の手引き」の活用し、年次的な焦点化及び重点化を図った計画的な実践研究を行う。
④ 自ら健康・体力づくりに取り組む指導方法を工夫・改善し、児童の健やかな体をはぐくむ。
⑤ 家庭や地域社会と連携し、心と体の健康を図る。
(3)研究内容
① 発達段階や実態及び運動の特性を踏まえた指導計画の充実
○ 小・中・高12年間のカリキュラムマネジメントの視点を踏まえた指導計画の作成
○ 学習の適時性に配慮するとともに、2学年のいずれかの学年で取り上げて指導できる内容に配慮した年間指導計画の作成
○ 単元のまとまりの中で体育や保健の見方・考え方を働かせる学びにつながる指導計画の作成
○ 運動の質や量を高める単元指導計画の工夫
② 運動の楽しさや喜びを味わわせる指導の充実
○ 学年の発達段階に応じた運動特性の把握と運動の取上げ方の工夫
○ 個々の児童の運動経験や技能の程度に応じた指導の工夫
○ 課題解決に対する思考を深め、よりよく解決するための学習活動の工夫
○ 基礎・基本の動きづくりにつながる運動身体づくりプログラムの活用
③ 進んで運動に取り組ませる指導の充実
○ 運動への興味・関心や意欲を高めるためのオリエンテーションの工夫
○ 新たな課題を設定したり、課題を修正したりする主体的な学習の工夫
○ 児童の実態や習熟の程度に応じたルールや用具、場の設定の工夫
○ ICT機器を有効に活用する工夫
○ 東京オリンピック・パラリンピックを契機として、運動やスポーツに対する関心・意欲の更なる高揚を図る実践
④ 体力向上のための指導の充実
○ 教科指導の充実
・ 発達段階に応じて高めるべき体力を重点化し、その方法を理解させるとともに、日常生活における主体的な実践力を身に付けさせること
○ 教科外指導の充実
・ 外遊びを奨励するなど楽しみながら一日の運動量を増やすことを通した運動の習慣化と日常化の実践
・ 生涯スポーツにつながる幅広い経験
・ 食習慣の改善と肥満解消
⑤ 言語活動を生かし、学び合いを深める指導の充実
○ 話し合う活動や学習カードの活用
○ 共に運動する楽しさを味わい、他者との伝え合い、学び合う活動の工夫
⑥ 実践的な理解を深める保健学習の充実
○ 実感を伴う体験活動の重視
○ 自分手帳の有効活用による自己理解
○ 身近な生活の中から健康・安全に関する課題に気付かせる指導の工夫
○ 養護教諭や栄養教諭及び地域人材の専門性を生かした指導体制の工夫
○ 発達段階を踏まえた食育・性に関する指導の工夫
○ 県や地域の実情を踏まえた放射線教育の充実と指導の工夫
⑦ 学習意欲を高める評価の充実
○ 単元全体を見通し、主体的な学びを育てる評価規準の作成
○ 3つの評価観点に基づいた指導と評価の一体化
○ 学習内容の定着度の把握と指導改善
(4)研究方法
① 地区ごとに研究推進計画を作成し、研究の視点及び研究内容の焦点化を図った研究を進める。 なお、避難地区においては、状況を十 分に考慮する。
② 学習指導要領の趣旨を踏まえ、県研究主題との関連を考慮し、副主題(地区研究主題)を設けるなど、地区や自校の課題を明確にして研究を推進する。
③ 会員一人一人の授業実践を基に、具体的なデータを累積し、仮説検証のための手立ての効果や子どもの変容をとらえた研究を進めるとともに、成果や課題の共有化を図り、地区の研究成果と課題を明らかにする。
④ 指導や場の設定の工夫を図りながら実践研究を進める。
(5)全体の活動計画
○ 研究主題研修会 5月21日(木) 地区体育科研究部長会
○ 県研究協議会 10月14日(水) 開催地区:県南(東白) 会場:塙公民館
○ 令和3年度「研究の手引き」原稿作成 1月