町野 瑛
いわき光洋高等学校 保健体育科
【基調報告】
1. 研究主題の設定の理由
(ア)新学習指導要領の資質・能力の三つの柱のバランスよい育成
(イ) 「運動やスポーツが好きな児童生徒の割合」が全国平均と比較してやや低い
→情意面にも目を向けた授業改善が必要
2. 研究視点の設定
(ア)指導と評価の一体化をはかった単元案・単元計画の作成
(イ) 主体的・対話的で深い学びを目指した指導の工夫
<指導要領解説>
生きる力を育み、主体的・対話的で深い学びの実現のため、知徳体からなる三つの柱の育成を生徒自身がめあてと照らし合わせながら評価できることが大切である。そのための授業デザインと学校の実態に応じたカリキュラムマネジメントを工夫する必要がある。
<シンポジウム>
「体育と保健を関連付けた体育・保健体育の推進」
「カリキュラムマネジメント」の観点から、他教科や学校行事とも関連を図る
<特別講演>
「木の上に立って見てみましょう~選手の自立を引き出すコーチング~」
東京ガスケミカル 阿久根謙司 氏
【公開授業】
○ 主体的・対話的で深い学びの実現を目指した体育授業の実践~実技と理論の相互作用とICTの活用~」
・ 公開授業では研究課題に則して「可視化」に重点が置かれており、生徒の思考力・判断力・表現力等の育成の助長につながっていた。
○ 球技:「バスケットボール」
球技では、ポイント、注意点が分かりやすくホワイトボードに記してあり、説明に時間をかけることなく、生徒へのスムーズな理解へとつながっていた。ICTを活用し、ゲーム後に仲間と課題発見に取り組む姿や、男女共修のために設けられた特別ルールを駆使して作戦を立てており、生徒が主体的・対話的に学びへと向かう姿が多くみられた。
○ 体育理論:スポーツの文化的特性や現代のスポーツの発展
体育理論では、学び方の提示(視点・視野・視座を活用し情報収集をする)が生徒の学びのイメージに直結した。知識構成型ジグソー法を用いて、協調学習で資料を読み取り、説明するといった主体的で対話的な授業が印象的であった。授業課題(オリンピック・パラリンピックは100年後も続いているか)を紐解くことで、授業後に新しい課題の発見(持続可能な社会の実現)=生きる力を育むための、資質・能力の三つの柱の育成 へとつながっていた。
主体的・対話的で深い学びの実現はあくまで手段であり、大切なのは生徒が新たな課題発見・解決へ導くことである。変動の大きな先の見えない時代に対応し、生き抜く子供たちの育成のためには、公開授業のような取り組みが即急に求められるのではないか。