中教研保健体育部会
1. 令和元年度活動報告
○ 研究主題(2018年度~2020年度)
「生涯を通じて心身の健康を保持増進するとともに、豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育む指導はどうすればよいか」
○ 令和元年度副主題(2年次~体育分野~)
今年度は、研究主題の二年次として副主題「運動課題の合理的な解決に向けて、考えたことを他者に伝える力を育む指導の工夫(体育分野)」のも と研究を進めてきました。
その結果、①運動課題の合理的な解決に向けて、他者との対話を通して自分の考えを広げ深める過程(場面設定)の工夫、②ICTや学習カードを活用し、自分や仲間の課題やその解決方法に気づき、他者に伝える力を育む指導方法の工夫、③各学校の「体力向上推進計画書」に基づく実践の中で、他者との関わりを通して体力向上に取り組む資質や能力を高め、運動の習慣化につなげることのできる指導方法の工夫について支部ごとに創意工夫された研究実践が数多く展開されました。特に、ICT機器を効果的に活用した授業が数多く展開され、生徒の運動への興味・関心の高まりにつながりました。また、考えたことを他者に伝える活動を通して生徒同士の関わり合いが深まり、主体的な学びにつながるなどの成果が確認されました。
今年度の県中・県南大会保健体育部会は、郡山市立西田学園で行われました。午前に全体の研究協議が行われ、代表支部による副主題に迫るために行った研究実践の発表と、それに基づく質疑応答・協議が行われました。各支部の創意工夫が見られた実践例や貴重な資料について情報共有がなされ、深まりのある協議が展開 されました。午後は副主題に迫る授業として、 遊佐智則先生に、「球技 バスケットボール」を提供していただきました。授業の研究協議では、授業者の意図や工夫点の説明、質疑応答により活発な協議が行われました。
2. 令和2年度の活動計画
○ 副主題と研究の概要
平成29年度の保健分野の研究においては、学校の実態に応じて、自らの健康を適切に管理、改善していく思考力や判断力を育成するための保健学習の指導方法について研究をしました。ICT機器を効果的に活用したことで、生徒の学習意欲を高める導入や基礎的な内容を身に付けさせるための動機付けにつながりました。しかし、知識の習得を図るとともに、思考力・判断力の育成につながる授業形態を工夫することや、個人生活を振り返り、運動と健康が密接に関連していることの理解を深める指導の工夫等に課題が残りました。
以上の理由から、研究副主題を「自他の健康についての課題を発見し、解決に向けて思考を深め、よりよく解決する資質や能力を育む指導の工夫~保健分野~」と設定しました。
○ 令和2年度の研究の内容と方法
保健分野の3年間の指導計画を見直し、自他の健康についての課題を発見し、解決に向けて思考を深め、よりよく解決する資質や能力を育むとともに、明るく豊かな生活を送ることができる態度を育成するための保健学習の指導方法について研究を進めていくこととしました。
(1) 研究内容
(ア)自他の健康課題を発見し、よりよく解決するための指導方法の工夫について
(イ) 考えたことを他者と伝え合う活動を通して、自己の考えを深める学習過程の工夫について
(ウ)保健に関する専門的な知識を有する教職員や関係機関職員等を効果的に活用する指導について
(2) 研究方法
(ア)主題研修会、主題研修報告会を通して、副主題及び研究内容について共通理解を図り、各支部の実態に応じた研究を推進する。
(イ) 支部ごとに研究内容の焦点化を図り、実態把握-仮説検証-考察の過程を踏まえて推進する。
(ウ)県研究協議会提出資料は、副主題にせまるために、どのように授業の改善を図ったか、指導の意図、生徒の活動や変容がわかるまとめ方とする。
○ 県中教研県北大会保健体育部会
・ 期日 令和2年10月9日(水)
・ 会場 福島市立北信中学校
設定されている副主題について、各支部の研究成果を持ちより、全県的な視点で研究協議を行います。会場の福島市立北信中学校は、福島市の北部に位置し、東側には阿武隈川が流れ、国道4号線、西側には東北自動車道などの幹線が通っています。生徒数は現在782名(1年:9学級、2年:7学級、3年:8学級、特別支援:3学級)の県内有数の大規模校です。そのため豊富で多種多様な人材に恵まれ、部活動や学習に対して積極的な取組がなされています。